寮歌 造大愛唱歌集

別離の歌

  1. 唐の都に月を見て
    祖国 ( くに ) の山河しのび泣く
    かの 麿人 ( まろびと ) のそれに似て
    ふるさと慕ふ日もありき。
  2. 歴史 ( ふみ ) にあくがれ古跡なる
    やまに遊びし日もありき
    又はさすらいの人となり
    石を ( いだ ) きし日もありき。
  3. 春知るころの苦しさに
    浜辺に出でて ( ) をとれば
    身を浮き舟の浮き沈み
    あくがれ渡る日もありき。
  4. 玄海寮の想い出は
    あげつらふべき ( すべ ) もなし
    星なき夜の 漁火 ( いさりび )
    などその数に及ぶべき。
  5. 君と吾との草枕
    たどりし道の遙けくも
    夢あらばとてたどりしを
    涙にぬるる旅衣。
  6. 君恋ふるとて ( すべ ) もなく
    三年 ( みとせ ) の春はうつろいぬ
    嗚呼肩くみて歌はなむ
    何時の日逢はむ君と吾
    涙さしぐみ歌はなむ。
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