2023年度 第26回
全国高校生設計 
アイデアコンテスト

審査経緯

第２６回全国高校生設計アイデアコンテストは、「坂道の休憩所」をテーマに作品を募集しました。その結果、全国の高校・高専から111作品が寄せられ、これまでにない応募数となりました。応募下さいました生徒・学生の皆様、担当教員の先生方に心より御礼申し上げます。
応募いただきました作品は、どれもユニークで、実用的なものからアイデアに富んだものまで多様であり、応募者の努力や苦労が感じられました。また、運動中や散歩中だけではなく、通勤、通学の際に、実際に立ち寄ってみたいと思える休憩所が多くありました。
審査は一次審査として、各教員が最大10件を選定して投票し、本学学生の投票も加味しました。さらに一定の得票を得た作品を対象に、受賞に相応しい作品を慎重に審査し、最優秀賞１件、優秀賞２件、入賞５件を選定しました。

審査委員長 藤田謙一＋建築学コース教員

審査結果

最優秀賞

 静岡県立浜松工業高等学校（1学年）  
植田 真綺 さん
担当教員：藤井 邦光 先生

『 自然の湯 』
限られた空間内に、クリーンエネルギーを利用し、足湯と景観を楽しみながら休憩することができる開放的な休憩所です。休憩所そのものはシンプルで開放的であり、気軽に立ち寄ることができる雰囲気を醸し出しているうえ、何度でも立ち寄りたくなるような場所になっていると感じられます。また、屋根を支える２本の柱の内部に雨水のろ過装置と給湯器を設け、屋根に据え付けた太陽光発電を利用して給湯するアイデアは、休憩所のデザイン性を損なわせることなく、休憩中にさりげなくSDGsの目標のひとつである持続可能なエネルギーの利用を考えさせる切っ掛けを与えるのかもしれません

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優秀賞

 兵庫県立尼崎工業高等学校（３学年）  
安岡 瑛斗 さん
担当教員：塩士 舞 先生

『さかみちでほっと、一息。』
建築としての休憩所を新たに設けるのではなく、軒下で雨宿りや日除けをするコンセプトから生み出された、宅地の擁壁を利用する休憩所です。擁壁に腰掛と雨・日除けを設けるという一見するとシンプルな休憩所ですが、他の応募作品にないユニークなアイデアです。さらに、腰掛を折り畳み式とすることで、雨宿りの際には立ったまま使えるなど、利用の幅を広げています。また、日除け部分をひと形にしたことで、街路のオブジェになりそうであり、これは何だろう？という興味がそそられます。

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 仙台高等専門学校 名取キャンパス（３学年）  
吉岡 冬雪 さん
担当教員：飯藤 將之 先生

『留まり止まる休み場　～目を留め、足を止めハイキング・ランニング・サイクリング～』
休憩所に見知らぬ人がいても周りを気にすることなく、屋根を階段状にして休憩所の外部と内部を利用する休憩所を考えたものと伺えます。坂道のメリットとデメリットを調べ、利用者の休憩パターンと滞在時間などを分析したうえで、利用人数による屋内の椅子の配置や椅子の内部の利用についても提案するという作者の緻密な計算が伺えます。それでいて余分なところを削ぎ落としたようなデザインは、周囲の景観を損ねることのないように配慮したものと感じられます。

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入賞

大阪府立工芸高等学校（２学年）
大栢 日宙 さん
担当教員：長井 典子 先生

『私だけの休憩所』
アーチ屋根と壁を設けた半個室的なデザインになっていますが、それでいて閉鎖的とならず、開放的な空間に仕上がった休憩所です。休憩所というと、つかの間の一休みに利用する場所と捉えがちですが、半個室とすることで、自然を感じながらの読書や考え事をするなど長い時間の利用も厭わない休憩所に仕上がっています。

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静岡県立浜松工業高等学校（３学年）
河合 月子 さん
担当教員：鬼丸 富貴 先生

『涼める休憩所』
ハニカム形状で構成され、坂道のどこからも立ち入ることができるよう段差を設けた幾何学的な形状の休憩所です。休憩所の全体形状に加えて、座面と水路をハニカムとしていることから現代的でありますが、手押しポンプの存在が現代とはちがう緩やかな時の流れや懐かしさを呼び起こすという、よいアクセントになっています。

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大阪府立工芸高等学校（２学年）
小浦 琉斐 さん
担当教員：長井 典子 先生

『憩いの葉（いこいのば）』
一枚の葉と柄を模した屋根と切り株椅子で構成される休憩所です。休憩所の形態は至ってシンプルですが、屋根は葉の構造を模し、葉の葉脈と柄をフレーム、それ以外をガラスにして、葉の下にいながらその時々の景観を味わえる工夫がされています。屋根は地形や場所でデザインを使い分けできることから、「憩いの葉」を巡る楽しみもできそうです。

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小山工業高等専門学校（２学年）
佐藤 由唯 さん
担当教員：小林 基澄 先生

『ヨリバ』
休憩所の全体形状は山をイメージする三角錐で、その一面を完全に開放することで、内部を専ら休憩所とするのみではなく、イベント時には出店とするなど、多目的スペースとして利用できるよう工夫されています。また、休憩所の開口は三角形、室外のベンチを三角柱にし、全てに三角形を織り込ませるという統一性を感じるデザインになっています。

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長崎県立長崎工業高等学校（３学年）
山口 留奈さん
担当教員：中村 啓介 先生

『坂道でひと息』
１階は階段、屋上は芝生で緑化したスペースの休憩所です。階段には色彩の異なる２種類の木材を用い、視覚的なアクセントをつけて階段での転倒を防止する配慮がされています。また、階段の木材色と屋上の緑色は、土と草の関係とも感じられ、地面の上には緑があるという自然を改めて認識させる休憩所になっているのではないでしょうか。

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応募要項
終了しました

テーマ ： 坂道の休憩所

主催：長崎総合科学大学 工学部工学科 建築学コース

課題の説明
2023年度の全国高校生設計アイデアコンテストのテーマは「坂道の休憩所」です。新型コロナ禍では不要・不急の外出を避けることが求められ、自宅内に留まることが多い時期となりました。しかし、新型コロナによる行動制限の緩和、今年５月の第５類への移行と健康ブームが相俟って、ウォーキング、ジョギング、自転車等により屋外での健康維持に励む人が増えています。そうは言っても、途中で休憩することも必要です。そこで、長い坂道があるコースを想像し、「坂道の休憩所」を提案してください。
休憩所は、一辺４mの立方体に収まる大きさとし、開放的でも閉鎖的な空間でもよいとします。つかの間の休憩時間に、のんびりする、周りの風景を楽しむ、軽い運動をする、軽い栄養補給をするなど、何度でも立ち寄りたくなる坂道の休憩所の提案を待っています。

2023年5月10日

応募資格・応募規定

1. 応募資格
   • 高校生（2023年度、高校在学の方）
2. 質疑応答
   • 応募要項にない点は、すべて応募者の判断によるものとし、質疑応答は行いません。
3. 提出物
   • A3版のケント紙またはこれに類する厚紙用紙１枚（縦使い）にまとめて下さい。
4. 内容
   • 提案アイデアを視覚的な表現（文章、図面、スケッチ、CG、模型写真など）で示して下さい。
   • 提出物は原図として下さい（カラーコピーなどによる複製品は不可）。
   • 提出物の表側に応募者の所属学校名、氏名などを記入してはいけません。
   • 応募用紙に学校名、住所、氏名等を記入し、提出図面の裏側に貼り付けて下さい（応募用紙は下部を印刷してください）。
   • 入選作品の著作権は長崎総合科学大学に帰属し、応募作品は返却しません。

審査員

審査委員長：藤田 謙一（建築構造、長崎総合科学大学工学部建築学コース准教授）
審査員：建築学コース教員

応募締切

2023年10月6日（金）  消印有効

応募先

〒851－0193 長崎市網場町536番地
長崎総合科学大学工学部 建築学コース 設計アイデアコンテスト係
TEL：095－838－3249  FAX：095－830－1281（建築学コース事務室）

賞

最優秀賞（1名） 賞状、副賞（1万円分図書カード）、楯
優秀賞 （2名） 賞状、副賞（5千円分図書カード）
入 賞 （最大5名） 賞状、副賞（３千円分図書カード）

発表

2023年10月下旬に本学ホームページで発表します。受賞者には直接連絡します。

応募用紙・要項

添付の用紙に記入して、作品図面の裏中央あたりに貼り付けてください。