基礎物理学部門で受賞
米国グーグル創業者らが設立した科学賞「ブレークスルー賞」が4月5日発表され、基礎物理学部門で、長崎総合科学大学(長崎市網場町、黒川不二雄学長)工学研究科大山健教授(副学長)が日本グループの代表をつとめるALICE実験をはじめ、ATLAS実験など4チームが共同受賞しました。
ALICE実験は、世界39ヶ国の大学・研究機関が参加する国際共同研究プロジェクトで、日本から長崎総合科学大学、東京大学、筑波大学、広島大学、佐賀大学、奈良女子大学が正式参加し、これまでに延べ約180人が参画して、検出器開発から多様な物理解析まで中心的な立場で貢献しています。本学からは大山健教授、濱垣秀樹特命教授に加え大学院生(現在は卒業)も実験に参加しています。
ATLAS実験は、世界42ヶ国から181の大学・研究機関が参加。約3,000人の研究者が携わり、「ヒッグス粒子」の精密測定や「標準理論」を超える新物理の探索に力を注いでいます。日本からは13の大学・研究機関から研究者・学生およそ150人が参加し、本学からは下島真教授が参加しました。
記者会見について
本学の教員と大学院生(現在は卒業)がATLAS・ALICE実験に参加し、ブレークスルー賞を受賞しました。ATLAS実験はHiggs粒子の性質の精密測定と標準理論の検証やそれを超える理論の探求を行い、ALICE実験は宇宙の創生や物質の起源に関する根本的な謎に挑戦し、ビッグバン直後の宇宙を満たしていた物質状態である「クォーク・グルーオン・プラズマ」の特性を探求することで、基礎物理学の限界を新たな領域にまで広げ、受賞に至りました。長崎総合科学大学を含む日本の各大学の教員や大学院生は、これらの実験計画においてセンサー開発、計算機技術、実験運用において主導的な役割を果たしてきました。
長崎総合科学大学は今後も基礎科学の分野をリードし、宇宙と自然の理解に向けて挑戦し続けます。
- 日時:2025年4月30日(水)10:00~11:00
- 場所:3号館3階小会議室
- 長崎総合科学大学
- 学長 黒川 不二雄
- 副学長 廣瀬 圭一
- 副学長 大山 健
- 総合情報学部長 下島 真
長崎総合科学大学 受賞者
ATLAS実験
質量を生成する対称性の破れのメカニズムを実証するヒッグス粒子の特性の詳細測定
下島 真(SHIMOJIMA Makoto)教授 博士(理学)
所属:長崎総合科学大学 総合情報学部総合情報学科 知能情報コース、大学院 工学研究科、新技術創成研究所
専攻分野:物理学
専門分野:高エネルギー物理学、素粒子実験物理学
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ALICE実験
最も短い距離と最も極端な条件での自然の探究
大山 健(OYAMA Ke)教授 博士(理学)
所属:長崎総合科学大学 工学部工学科 電気電子工学コース、大学院 工学研究科、新技術創成研究所
専攻分野:物理学
専門分野:高エネルギー原子核実験物理学
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共同発表
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